こんにちは、代表の佐伯です。

先日、ここ神奈川県では珍しく大雪となりましたね。
事務所を構える大和市はうっすら積もる程度だったので、「雪かきはしなくて大丈夫かな」なんて呑気に構えていたのですが……県西部は想像を絶する状況になっていました。

東名高速、圏央道、中央道が次々と通行止めになり、一般道までもがストップ。
神奈川県が完全に「陸の孤島」となってしまった日、私は和歌山県までのご搬送という、非常に難易度の高い業務に就いていました。

「行ける」と判断したはずが…目の前で起きた衝撃

出発前、お天気情報や道路状況を念入りにチェックしました。
その時点では通行止めもなく、「御殿場さえ越えてしまえば、あとはスムーズに行ける」と判断し、一路和歌山へ向けて出発。

ところが、東名を西へ進むにつれて雪は本降りに・・・
海老名SAで再度確認しても「通行止めなし」。よし、再出発だ!と気合を入れ直したのですが、秦野付近で一気に交通量が増え、嫌な予感が漂い始めました。

私は走行車線を慎重に低速走行。
すると、追い越し車線を一台のスポーツカーが勢いよく追い抜いていきました。
「うわっ、危ないな……」 そう思った矢先、案の定その車がスリップ!!
フラフラと蛇行したかと思うと、ドカン!と中央分離帯に激突しました。

幸い、周りの車は十分な車間距離をとっていたので、恐ろしい玉突き事故にはなりませんでした。
ですが、その惨状を見て「これはもう、絶対にダメだ。命に関わる」と確信。
同時に、最悪のお知らせである「通行止め」の情報が飛び込んできました。

見渡す限りの「スタック地獄」

すぐにご家族に連絡を入れました。
「申し訳ありません、これ以上進むのはあまりに危険です。天候が回復してから、必ず責任を持ってお連れします」

そうお伝えして、一旦事務所へ引き返すことに。
ところが、ここからが本当の試練の始まり。
次のICで降りようとするのですが、下道を含め道路は完全に麻痺。
反対車線も、こちらの車線も、大型トラックから乗用車まで、あちこちでスタック(立ち往生)が発生しています。

まさに「スタック!スタック!スタック!」の嵐。

私たちの車両はスタッドレスタイヤに4WDなので問題なく進めますが、ふと周りを見ると……驚くほど多くの車が「ノーマルタイヤ」でした。
その多くが、小さなお子さんを連れたご家族連れ。
ハンドルを握るお父さんの、今にも泣き出しそうな、それでいて必死な横顔が忘れられません。

「お父さん、大変だろうな。何時間もこのままで、子供たちのトイレはどうしているんだろう……」 そう思うと、胸が締め付けられる思いでした。

パーキングエリアの閉鎖に感じた強い憤り

この渋滞の中で、私が何より憤りを感じたことがあります。 それは「パーキングエリア(PA)の閉鎖」です。

目の前にあるのに、入れない。
こんな非常事態だからこそ、避難所として開放すべき場所ではないのでしょうか? 「ここに入れれば、おむつも替えられるし、温かいものも飲めるのに……」 立ち往生している人たちのためのPAではないのか?と、ネクスコさんの対応には今でも強い疑問を感じています。

やっとの思いでICの出口に近づきましたが、そこからがまた長い。 たった4km進むのに、なんと「4時間」かかりました。
乗用車が優先的に降ろされ、トラックやバスは後回し。トイレのないバスに乗っていたお客さんたちは、一体どうしたんだろう……。

「今後もし自分がバスに乗る機会があったら、絶対にトイレ付きかどうか確認しよう」 心からそう誓った4時間でした。

大迂回、そして安堵の到着

なんとか事務所へ戻り、翌日改めて再出発しました。
東名はまだ止まっていたので、中央道経由で大きく大迂回。

予定より時間はかかりましたが、和歌山県の会館に待っていたご家族の元へ、無事に故人様をお連れすることができました。
葬儀社様へ無事に引き継ぎを終えた瞬間、安心感と一緒に、これまでにない疲れがドッと押し寄せてきました。

今回の搬送は、32年の経験の中でも指折りの「難易度」でした。
でも、この経験がまた一つ、自分の「引き出し」を増やしてくれた気がします。

雪道のノーマルタイヤは、自分だけでなく周りの人も巻き込む凶器になり得ます。
皆様もどうか、冬の備えだけは万全にしてくださいね。

それでは、また!