1. 死亡診断書と死体検案書の決定的な違い

結論から言うと、この2つの書類は「1枚の同じ用紙」に印刷されています。
医師がどちらかのタイトルを◯で囲むことで、その役割が決まる仕組みです。

比較表:一目でわかる違い

項目死亡診断書死体検案書
対象となる死診療中の病気による死亡不慮の事故、突然死、孤独死など
発行するタイミング医師が死因を特定できている時警察が介入し、検視・検案が必要な時
主な発行者担当医(主治医)警察医・監察医
費用の目安3,000円〜1万円程度3万円〜10万円程度(検案料込み)

2. 死亡診断書とは?(病死・自然死の場合)

死亡診断書は、医師が診療を続けていた患者が、その病気に関連して亡くなった場合に発行されます。

  • 発行の条件: 継続的に診察していた病気で亡くなったことが明らかな場合。
  • 流れ: 病院のベッドや自宅療養中に医師が最期を看取り、その場で記入されます。

3. 死体検案書とは?(突然死・事故死の場合)

一方で、死体検案書は、死因がすぐには特定できない「異常死」の際に発行されます。

  • 発行の条件: 事故死、自殺、あるいは健康だった人が急に亡くなった場合など。
  • 警察の介入: 孤独死などで発見が遅れた場合、事件性の有無を確認するために警察が「検視」を行います。その後、医師が遺体を調べて(検案)発行されるのがこの書類です。

注意ポイント: > 警察が介入すると「死体検案書」が必要になります。この場合、自治体やケースによっては死体検案料(検案のための診察費)が上乗せされるため、死亡診断書よりも費用が高額になるのが一般的です。

4. なぜこの書類が重要なのか?

これらの書類は、単なる「記録」ではありません。法的に非常に重い役割を持っています。

  1. 火葬・埋葬の許可: 市役所にこの書類(と死亡届)を提出しないと、火葬許可証が発行されません。
  2. 保険金の請求: 生命保険金の受け取りに必須となります。特に死体検案書の場合、不慮の事故かどうかが給付額に影響することもあります。
  3. 相続手続き: 銀行口座の解約や名義変更など、あらゆる死後手続きの起点となります。

5. まとめ:もしもの時のチェックリスト

  • 病院で病死した場合: 担当医に「死亡診断書」を依頼する。
  • 自宅で急逝・発見された場合: まずは警察(110番)に連絡。
    遺体を動かさず、警察医による「死体検案書」の発行を待つ。

どちらの書類も、コピーを10枚ほど取っておくことを強くおすすめします。原本は役所に提出してしまいますが、その後の保険や年金の手続きで写しが何度も必要になるからです。